#5
始まりのTIC(上)
話せる島──TIを庭のようにして育ったTIMEにとって、大変思い入れの深い場所がある。
TIC──そう、話せる島のダンジョンだ。
中でも、ゾンビ部屋ほど印象に深い場所は、リネを始めて半年近くたった今でも、後にも先にもない。
TIMEがまったり狩りへの第一歩を踏み出した、記念すべき(?)場所である。
レベルは15前後、武器はダマ剣、防具貧弱のプリにとって、余裕を持って稼げる場所が他にあるだろうか?
いや、、、無い!w
クランは作り始めたばかりで、文字どうり何をしたらいいのかわからず、ただがむしゃらに日々を過ごしていた時のことだ。
チャットが苦手だったTIMEは、犬を友達にして一人で狩りをしていることが多かった。
情報系サイトを読みあさるのが趣味だったので、ゾンビ部屋というものの存在は知っていた。
なんとなく、「待つ」という行為にしりごみして、近づくことは無かった訳だが。
そんなTIMEもついに決心をして、+0ダマ剣を片手にTICに入るのであった。
小心者のTIMEは、事前にもう一度情報系サイトをチェックしたのは言うまでもない^^;
かなりドキドキしながら、いわゆる下ゾンビ部屋の前までたどり着いた。
数人のプレイヤーが、待合室と思われる部屋に待機しているのが見えた。
なにやら、自分が「招かれざる客」のような錯覚すら覚えた。
(ひえぇ^^; まずは「あいさつ」、と・・・)
ぴたりと部屋の前に立ち止まると、焦りながら遅いタイピングで言葉を入力。
「こんばんわ^^」
即座に、部屋にいた全員があいさつを返してくれた。
なんだか、部屋の雰囲気まで軽くなったように思えた。
そして今度は、すんなりとタイピングできた。
「待ちますね^^」
この時、初めてのゾンビ部屋だったTIMEに、ここでの狩りかたやローカルルールなどを丁寧に教えてくれ、さらには先に順番まで回してくれたのが、オーダンというナイトだった。
小さな親切を人から受けると、自分も人に対して優しくなれるんだなぁ。
そういう大切な事も、一緒に教わった気がします。
ゾンビ部屋の雰囲気は、すこぶるTIMEの肌に合った。
基本的にまったり好きだったからであろう。。。
何度も足しげく通ううちに、このオーダンさんがゾンビ部屋のヌシ(当時)であることもわかったw
とにかくこうして、TIMEのゾンビ部屋通いが始まったのであった・・・。
まだ、シルバーソードすら持っていなかった・・・
そんな頃のお話。
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