#0−2
TIME誕生のお話。
化石スペック(3GB)のPCに、無理矢理インストールされたリネージュは、私と友人Hの予想に反して、実にすんなりと起動した。
『おおお!?』
「・・・大丈夫なの?」
キャラ選択画面へと進む。
「へぇ。4種類しかないんだ・・・」
クリックして、グラフィックなど出してみる。
・・・ 私の指が止まった。
「プリンス・・・王子!?」
『あー、それは・・・』
「これにしよう!」
『まじかよ!? ・・・まぁお好きに(苦笑)』
なんとなく、であったw
「名前は・・・time」
昔からのハンドルネーム、「time」を入力。
イニシャルをもじっただけ、ということは秘密である。
「頭は大文字じゃなきゃ駄目なんだ・・・。ならTime」
──すでに同じ名前が存在します。
「えぇ!? ・・・じゃあTIMEで」
・・・TIME誕生の瞬間であったw
能力値は、CHAを17、その他は全部DEXに振った。
現在の中途半端なパラメーターも、思えばここから始まっていたらしいw
そして、ログイン。
ぽつん、と立ちすくむ「TIME」の周りを、君主だの魔術師だのが忙しく過ぎ去っていく。
ネットゲーム初体験の私にとって、これらのキャラをすべて他人が動かしているんだなぁと思うと、なんだか感慨深いモノがあった。
『動くね。じゃあ・・・』
友人は、「TIME」を案山子の前まで連れていき、
『これを殴ってて。したらレベル5まで上がるから』
と言い残し、帰っていった。
オート殴りを知らなかった私は、指がつりそうになるほどクリックし続けていた記憶がある。
レベルがようやく5になり、街をうろうろしていると、友人Hから電話が入ってきた。
『ワープ屋を探して、話せる島においで』
言われるまま、話せる島へ。
ぼけっとしていると、寄ってきた魔術師らしき人物が、突然「TIME」を殴りだした。
なんだなんだ!?
これがウワサに聞くPKなのか!?
文字が流れた。
『オレだって』
やや!? ・・・まさか。
電話で確認すると、やはり友人Hであった。
それにしても・・・
DioBrandoって・・・(汗)
こうして、私のリネージュは始まった。
この時はまだ、一度も戦闘をしていなかった。
そして、2人ともwisのやり方を知らなかった・・・。
そんな頃のお話。
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